Qualcomm製品を採用する顧客は、マイクロンの車載用メモリ/ストレージを通じて
セントラルコンピューティング、デジタルコックピット、先進運転支援システムを実現
ドイツ・ニュルンベルク、2024年4月9日(Embedded World) Micron Technology, Inc.(ナスダック:MU)は、同社の包括的な車載グレードのメモリ/ストレージソリューションがQualcomm Technologies Inc.のSnapdragon® Digital Chassis™の認定を受けたと発表しました。Snapdragon Digital Chassisは、データ量の多いインテリジェントな車載サービスに適した包括的なクラウド接続型プラットフォームです。マイクロンの低消費電力ダブルデータレート5X(LPDDR5X)メモリ、ユニバーサルフラッシュストレージ(UFS)3.1、Xccela™フラッシュメモリ、クアッドシリアルペリフェラルインターフェースNOR(SPI-NOR)フラッシュは、Snapdragon® Cockpit Platform、Snapdragon Ride™ Platform、Snapdragon Ride Flex SoC(System-on-Chip)など、人工知能(AI)に対応した最新、ならびに将来のワークロードの処理を念頭に置いた最新世代のSnapdragon車載ソリューションとモジュールに組み込まれています。マイクロンとQualcommによるこの取り組みは、エコシステムによる次世代インテリジェントカーの開発を促進させます。
マイクロンの組み込み市場分野担当バイスプレジデント、クリス・ジェイコブスは「今日のソフトウェアデファインドビークル(SDV)やイマーシブ(没入型)コックピットには、エッジでの大量のデータ処理やタイムクリティカルな瞬時の意思決定を可能にする高い信頼性と超低レイテンシーを備えたメモリとストレージが必要です。マイクロンの車載用メモリとストレージソリューションの広範なポートフォリオは、運転中に求められるインスタントオンのパフォーマンスを実現します。Qualcommと連携し、エコシステムに向け車両の安全性を高め、車両をスマート化する最先端ソリューションの導入を加速化できることを嬉しく思います」と述べています。
マイクロンは、信頼性が高く、高速な起動時間、高帯域幅、低電力、省スペースを実現する広範な車載グレードソリューションを提供しています。マイクロンの車載グレードポートフォリオは、コンシューマー機器用として製造された多くの自動車市場向けソリューションとは異なり、独自の高耐久化、製造手法、最適化が図られ、プロセステクノロジーや製品開発を通して厳しい自動車規格に対応しています。マイクロンの車載製品は厳格なテストを通じて、自動車市場が求める極めて高い安定性、品質、熱耐性、信頼性、寿命を実現しています。
マイクロンのソリューションは、さまざまなAI機能をサポートする広範なSnapdragon Digital Chassisソリューションの認定を受けています。
- Snapdragon Cockpit Platformは、ソフトウェアリッチなパーソナライズされたデジタルコックピット向けに設計され、イマーシブオーディオ、インテリジェントな運転支援、複数のディスプレイ間のリッチな視覚エクスペリエンスをサポートしています。高性能コンピューティングと機械学習アクセラレーターを搭載するSnapdragon Cockpit Platformは、マルチモーダルの生成AI機能を備えています。ドライバーのニーズとテクノロジーの進歩に合わせて直観的に適応し、進化できるデジタルコックピットの開発を実現します。
- Snapdragon Ride Platformは先進運転支援システム(ADAS)機能を実現するとともに、基本的な駐車支援機能から、コンピュータービジョン、複雑なAIネットワーク、カメラ可視化、センサーフュージョン、LiDAR認識、自動運転マップ、超音波センサー処理といった高度な自律機能やテクノロジーまで、幅広い機能をサポートします。
- Snapdragon Ride™ Flex SoCは、セントラルコンピューティングに対応するミックスドクリティカル(重要度の異なるさまざまな機能が混在する)なワークロードをサポートし、デジタルコックピット、ADAS、自動運転機能を1つのチップに統合しています。この一元化により、自動車メーカーはSDVアーキテクチャーを統一し、車載システムにおけるマルチモーダルAIネットワークの準備を進められます。
マイクロンの車載ソリューションは、Qualcomm製品を採用する自動車分野の顧客や広範なエコシステムに多大なメリットをもたらします。
- マイクロンの車載用LPDDR5Xは、最高のスピードと低電力が求められるアプリケーション向けのフラグシップメモリソリューションです。LPDDR5Xは、AIベースの自動運転機能など帯域幅と消費電力が増すテクノロジーの利用に際して、そのインテリジェントカーの消費電力効率とパフォーマンスを向上させます。特に、マイクロンのLPDDR5Xは従来のLPDDR5(6.4ギガビット/秒)と互換性があり、Qualcommからメモリの認定を受けています。この認定により、Qualcommの最新世代のSnapdragon車載用SoCは、LPDDR5インターフェースを実現する最初のSoCファミリーとなります。
- マイクロンの車載用UFS 3.1ストレージは、読み取りパフォーマンスを2倍高速化し、持続的な書き込みパフォーマンスを50%改善します*1。起動とOTA(Over-The-Air)アップデートを高速化、アプリケーション起動の応答性を向上し、ユーザー体験を全体的に改善します。このような速度のブーストにより、デジタルコックピットからの指示に代表される重要なデータへのアクセス時など、運転中のレイテンシーが許容されない、ドライバーの期待に応える運転体験を実現します。
- マイクロンのXccela™フラッシュメモリは、業界最高クラスのパフォーマンスを誇るNORフラッシュメモリです。5倍のパフォーマンスを実現し、エネルギー消費を3倍削減します*2。この能力により、車載アプリケーションでインスタントオンのパフォーマンスと高速なシステム応答性を実現します。
- Quad SPI-NORフラッシュは、ブートコードやプログラムコードなど、アプリケーションのコード実行を高速化し、信頼性を高めます。ドライバーがエンジンをかけると同時に自動車のデジタルコックピットとオペレーティングシステムを確実に起動させる必要があるため、この特長は特に重要です。コード実行が失敗し場合、自動車の起動不能や動作不能を招く可能性があります。
このようなマイクロンのソリューションは、最新世代のSnapdragon Cockpit Platformの揮発性、不揮発性メモリソケットすべてに適用されています。両社の取り組みは、マイクロンとQualcommの複数世代のプラットフォームにおよぶ長期的な協力関係に基づいており、自動車にイマーシブな車内体験をもたらしています。今回の認定により、マイクロンとQualcommの両社で、高度なAIを搭載した次世代のインテリジェントカーを実現するエコシステムを支援します。
マイクロンの車載ソリューションは複数の大手自動車メーカーに採用され、車載市場での約35年間の取り組みを通じて、数兆マイルの走行距離を記録しています*3。マイクロンの高度なノウハウは、最先端の車載テクノロジーを支えるメモリを設計し、アーキテクチャーを進化させてきた自動車分野の顧客との緊密なコラボレーションにより培われています。
今回の発表は、ドイツで今週開催されたEmbedded WorldでのマイクロンのMicron 4150AT SSDの発表を補完します。この車載グレードのドライブは、同種の製品として初めて仮想化に対応するとともに、4つのカスタマイズ可能なポートを提供し、インテリジェントカー向けにセントラライズドアーキテクチャーとして新たなパラダイムを実現します。今回の発表も加わり、マイクロンは自動車業界でのリーダーシップを一層、強固にするとともに、自動車エコシステムとの連携を一層、図り、車両をインテリジェントエッジの新時代へと導きます。
参考資料
- ポートフォリオページ:車載用メモリとストレージソリューション
注記:
*1 前世代のUFS 2.1デバイスとの比較
*2 ページモードのパラレルNORソリューションとの比較
*3 マイクロンの計算に基づきます
Micron Technology, Inc.について
マイクロンは、情報活用のあり方を変革し、すべての人々の生活を豊かにするために、革新的なメモリおよびストレージソリューションを提供するリーディングカンパニーです。顧客第一主義を貫き、テクノロジーの最前線でリーダーシップを発揮し続け、洗練された製造技術と事業運営を妥協なく追求するマイクロンの製品ポートフォリオは、DRAM、NAND、NORの各種メモリからストレージ製品まで多岐にわたり、Micron®またはCrucial®のブランドを冠した高性能な製品を多数展開しています。マイクロンで生まれた数々のイノベーションは、データの活用を加速すると同時に、人工知能や5Gといった最先端分野の進歩の基盤として、データセンターからインテリジェントエッジ、さらにはクライアントコンピューターとモバイルをまたいだユーザーエクスペリエンスまで、さまざまな事業機会を新たに生み出し続けています。Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)に関する詳細は、micron.comをご覧ください。
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