高性能、省電力、小型フォームファクタのLPCAMM2メモリ導入により、
ノートPCの高速化、軽量化、小型化を実現
バッテリー稼働時間の改善、モジュール化による保守性、アップグレードを可能とする
米国アイダホ州ボイシ、2024年1月9日 - Micron Technology, Inc.(ナスダック:MU)は、PC向けの業界初の標準規格となる低消費電力圧縮アタッチド・メモリモジュール(LPCAMM2)を提供すると発表しました。LPCAMM2は16GBから64GBの容量のラインナップが用意され、PCでより一層のパフォーマンス、省エネルギー化、省スペース化、およびモジュラー化を実現します。LPCAMM2は、クライアントメモリ向け規格として、1997年に発表されたSODIMM(スモール・アウトライン・デュアル・インライン・メモリモジュール)以来となる画期的な新しいフォームファクタを採用したメモリで、すでにサンプル出荷され、量産開始は2024年上半期を予定しています。革新的なLPCAMM2フォームファクタを採用したマイクロンのLPDDR5X DRAMは、消費電力を最大61%削減*1、PCMark®による10種類の基本的なワークロード(ウェブ閲覧、ビデオ会議等)で最大71%のパフォーマンス向上*2に加え、従来のSODIMM製品と比較して実装スペースを64%の削減*3します。
クライアントPCでの生成AI利用の普及とともに、メモリサブシステムのパフォーマンスの重要性が増しています。LPCAMM2は、PCでのAIワークロード処理のみならず、このようなコンパクトでモジュラー式、かつ低消費電力化が求められるシステムへの対応も可能にします。これは顧客ニーズに応じて、業界初となるLPDRAMのアップグレードを可能とするものです。
マイクロン コンピューティング製品部門 バイスプレジデント兼ゼネラル・マネージャーを務めるプラヴィーン・ヴァイディヤナサン(Praveen Vaidyanathan)は「マイクロンは、柔軟なモジュール式のフォームファクタで業界最高水準の単位電力当たりのパフォーマンスを実現するLPCAMM2製品を通じて、ノートPCのユーザーエクスペリエンスを変革しています。この画期的な製品は、テクノロジーや顧客ニーズの変化に応じてメモリ容量アップグレードでき、AI搭載のノートPCの機能を向上します」 と述べています。
LPCAMM2のフォームファクタの設計および開発には、メモリ規格を策定する業界団体のJEDECにおけるマイクロンのリーダーシップに加え、主要なクライアントPCメーカーならびにエコシステム企業とのコラボレーションも製品化に大きく貢献しています。製品開発の範囲にとどまらず、本製品に代表される新しいタイプのメモリの実現には、効率的な量産体制を実現するための検査機器や検査手法、自動化技術に関する数多くのイノベーションも必要とされます。
マイクロンのLPCAMM2の特長は以下の通りです。
- 転送速度は、現在のDDR5 SODIMMでの5600 Mbpsに対し、最大9600 Mbpsを実現*4
- システムのスリープ時における消費電力を最大80%削減*5、バッテリー駆動時間を向上
- デジタルコンテンツ作成ワークロードでのパフォーマンスが最大7%向上*6
- PCMark®による10種類のテストにおける生産性ワークロードのパフォーマンスが最大15%向上*6
- 企業ITユーザー/管理者に有用な機能となるモジュラー化
- 全てのモジュール容量にわたり、一種のみのプリント回路基板(PCB)を採用し、OEM、ODMに対する柔軟なサプライチェーンを確保
- マザーボード上の複雑な配線ルーティングを簡素化
- 一般消費者向けにCrucialブランドでのLPCAMM2製品も提供し、ノートPCユーザーのシステムメモリ・アップグレードも支援
レノボ コマーシャル製品ソリューション開発部門 執行役員兼Distinguished Engineerを務める塚本泰通氏は「LPCAMM2は、モバイルワークステーションや薄型軽量のノートPCを対象に高い性能、メモリ容量の拡張性、バッテリー駆動時間の延長を可能にするPCエコシステムとして画期的なフォームファクタと言えます。レノボはマイクロンとの強固な業務関係や共同開発の取り組みを誇りに思っており、他社に先駆けて、顧客に柔軟性が高いメモリソリューションを提供できることを嬉しく思います。これらのメモリモジュールは、ユーザーエクスペリエンスの向上だけでなく、省エネルギー化も実現し、ノートPCの消費電力の削減を目指す弊社の目標に合致した製品です」と言えます。
インテル メモリー&IOテクノロジー担当バイスプレジデントであるディミトリオス・ジアカス博士(Dr. Dimitrios Ziakas)は「インテルとマイクロンは、マイクロンのLPCAMM2 フォームファクタを活用した業界初のプラットフォームの開発を通じて、クライアントPC業界を再構築しています。LPCAMM2が提供する技術的な優位性により、インテルとパートナー企業は、AI PC時代における環境持続性に配慮した低電力のメモリ技術ソリューションを推進できるようになりました。私たちは引き続きエコシステムへの協力に積極的に取り組み、今後の導入拡大やイノベーション実現に努めます」と述べています。
コンパル シニアバイスプレジデントを務めるアンディ・リー氏(Andy Lee)は「ノートPCやモバイルワークステーションなどのエッジ端末での大規模言語モデルやAIアプリケーションの活用は、コンパルの顧客志向の設計方針としても重要な領域です。コンパルは、マイクロンとの緊密な連携を通じて、マイクロンのLPCAMM2 メモリソリューションの高帯域幅、低消費電力、大容量化などの特長を生かしAI革命を牽引するプラットフォームの設計に取り組みます」と述べています。
マイクロンはさらに、一般消費者向けにCrucial LPCAMM2を販売します。ゲーマーや外出の多いビジネスパーソン、コンテンツクリエイターといったノートPCユーザーが自身で低電力メモリをアップグレードできる業界初の試みとなります。Crucial LPCAMM2は、www.crucial.comを通じて2024年上半期に販売を開始する予定です。マイクロンのLPCAMM2の革新的な性能や優位性の詳細はwww.micron.com/LPDRAMをご参照ください。
参考資料:
- 製品概要 https://media-www.micron.com/-/media/client/global/documents/products/product-flyer/lpddr5x_camm2_technical_brief.pdf
- LPCAMM2にレノボとの連携の紹介動画:https://youtu.be/5W-suOdKlV0
- 製品ブログhttps://www.micron.com/about/blog/2024/january/lpcamm2-no-compromise-for-next-gen-laptops
- 画像ギャラリーギャラリー|Micron Technologies, Inc
- 製品ウェブページLPDRAM|LPDDR|マイクロンテクノロジー
注記:
- SODIMMメモリと比較して、同一速度のDDR5メモリにおける64ビットバスあたりの消費電力を最大61%削減
- PC Markによる10種類の必須ワークロードテストでLPDDR5X LPCAMM2とDDR5 SODIMMを比較した数値。この必須ワークロードテストは、ウェブ閲覧やビデオ会議など、一般ユーザーが毎日何度も実行する一般的なタスクや操作をモデル化したものです。
- デュアルスタックのSODIMMと比較して、最大64%小型化
- LPDDR5Xのデータレートは、DDR5 SODIMMにおける6400 Mbpsをはるかに上回る最大9600 Mbpsを達成LPCAMM2モジュールにLPDDR5Xを搭載した場合、6.5GbpsのSODIMMを1.5倍上回る高速性を実現
- LPCAMM2は、以下の分野においてSODIMMを上回る省電力性能を実現しています:同一速度のDDR5と比較すると、64ビットバスあたりの消費電力を最大43〜58%削減。スリープ時の消費電力を最大80%削減。DDR6の消費電力(セルフリフレッシュモード)を最大85%削減。
- PC Markによる10種類のデジタルコンテンツ制作および生産性ワークロードテストによる。デジタルコンテンツ制作ワークロードテストは写真編集、動画編集、および3Dコンテンツ作成におけるパフォーマンスを対象とし、生産性ワークロードテストは表計算ソフトやワープロソフトなどのオフィス向けアプリケーションにおけるパフォーマンスを対象としたもので、いずれもLPDDR5X LPCAMM2とDDR5 SODIMMを比較したものです。
Micron Technology, Inc.について
マイクロンは、情報活用のあり方を変革し、すべての人々の生活を豊かにするために、革新的なメモリおよびストレージソリューションを提供するリーディングカンパニーです。顧客第一主義を貫き、テクノロジーの最前線でリーダーシップを発揮し続け、洗練された製造技術と事業運営を妥協なく追求するマイクロンの製品ポートフォリオは、DRAM、NAND、NORの各種メモリからストレージ製品まで多岐にわたり、Micron®またはCrucial®のブランドを冠した高性能な製品を多数展開しています。マイクロンで生まれた数々のイノベーションは、データの活用を加速すると同時に、人工知能や5Gといった最先端分野の進歩の基盤として、データセンターからインテリジェントエッジ、さらにはクライアントコンピューターとモバイルをまたいだユーザーエクスペリエンスまで、さまざまな事業機会を新たに生み出し続けています。Micron Technology, Inc.(Nasdaq:MU)に関する詳細は、micron.comをご覧ください。
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